普段私たちが使う鰹節は、ふりかけのように細かく加工された形で市場に出回っています。
高級な料理店では、注文が入る度に鰹節をその場で削ることが一般的で、これが料理の風味を格段に引き立てます。
家庭でもこの風味を再現しようと考える人は少なくありません。
ただ、自宅で鰹節を削る際、その硬さに困惑することも多いでしょう。
今回は、鰹節を柔らかくして削りやすくする方法と、削ることなく活用するテクニックを紹介します。
鰹節の硬さの理由
鰹節が削りにくい硬さの理由と、柔らかくする前の準備方法!
鰹節の硬さは、特定の「食品用カビ」によって生じます。
カビを聞くと悪い印象を持つかもしれませんが、鰹節に利用されるカビは安全で品質向上に役立ちます。
このカビによる発酵プロセスで鰹節は硬くなり、水分が抜けることでさらに硬化します。
この製法が、鰹節の深い味わいの源です。
硬い鰹節を柔らかくする方法
乾燥が進むと鰹節は粉々に削れやすくなりますが、以下の方法で柔らかくすることができます。
加熱
削る面を直接火にかけない方法で軽く加熱することが効果的です。
削り作業中に鰹節が硬くなってしまった場合は、この手順を繰り返すと良いでしょう。
湿らせる
乾燥布で削りたい面を軽く湿らせ、その状態で数分待つと削りやすくなります。
電子レンジを使用
削りたい部分に水を少し塗り、ラップをかけて電子レンジで約20秒加熱します。
十分に柔らかくならない場合は、さらに10〜20秒加熱を加えてください。
ただし、加熱後は削りやすいうちにすぐに作業を行うことが望ましいです。長時間放置すると再び硬くなる可能性があります。
鰹節を削る以外の使い方はあるのか?
鰹節の塊を使うのは一般的ではありませんが、削らずに活用する方法も存在します。
削り器がない場合、包丁で鰹節を荒削りや厚削りにする方法があります。
まず、鰹節の塊を柔らかくするために圧力鍋で蒸します。
蒸した後は、表皮を取り除いてスライスすると良いでしょう。
これらの厚削り片は、そのまま煮出して濃厚なだしを取ることができます。
包丁で荒削りにする詳しいレシピ
以下に荒削りの鰹節でだしを取るレシピを紹介します。
- 材料(2〜3人分)
鰹節の塊:1つ
水:500ml - 道具
包丁
圧力鍋または通常の鍋
こし布や細かいざる
手順
- 鰹節の準備
鰹節の塊を圧力鍋で軽く蒸し、柔らかくします。圧力鍋がない場合は、普通の鍋で水を沸騰させ、その蒸気で5分程度蒸します。 - 荒削りにする
蒸し上がった鰹節を包丁で約1cmの厚さにスライスします。硬い表皮があれば、除去します。 - だしを取る
鍋に水500mlを入れて火にかけ、スライスした鰹節を加えます。沸騰直前で火を止め、5分間そのままにしてだしを抽出します。
だしを取ったら、こし布や細かいざるで濾します。
鰹節は加熱しすぎると旨味が損なわれるため、沸騰直前で火を止めることが重要です。
だしは煮出しすぎると苦味が出る可能性があるので、適切なタイミングで火から下ろすことが推奨されます。
利用方法
このだしは、味噌汁やうどん、そばのつゆにぴったりです。
煮物やおでんの味付けに加えると、食材の風味をより引き出すことができます。
簡単においしいだしを取る技術を身につけて、日常の料理に役立ててみましょう!
鰹節を硬くならないように保存する方法
鰹節は放置すると乾燥してしまい、使用時に粉っぽくなることがあります。
使った後の鰹節は、ラップでしっかりと包んでから密封袋に入れて保管します。
常温保存は避け、冷蔵庫での保管がおすすめです。
まとめ
自宅で鰹節を削って新鮮な味わいを楽しむのは素晴らしいですが、放置すると鰹節は硬くなりがちです。
もし鰹節が硬くなってしまった場合は、先に紹介した柔らかくする方法を試してみてください。